PIXTA運営の出張撮影マーケットプレイス・fotowa。PIXTAで得た資源の活用がポイント
出張撮影マーケットプレイスのfotowa(フォトワ)とは
写真を撮る人(売り手)と写真を撮って欲しい人(買い手)を結びつけるマーケットプレイス。以下、写真を撮る人(売り手)=フォトグラファー、写真を撮って欲しい人(買い手)=依頼者と呼ぶ。
サービス概要としては、以下のような感じになっている。
- 撮影所要時間80分
- 撮影写真枚数75枚(1週間以内にデータ納品)
- 料金は19,800円(平日、税別)、23,800円(土日祝、税別)
- 満足できない場合は全額返金を保証
また、Webサイトを見る限り最大のメリットはコストメリット。
fotowa(フォトワ)のビジネスモデル
ビジネスモデルとしては、手数料モデル。フォトグラファーは報酬率65%と記載があるので、成約金額の35%を手数料として事務局がもらっている。ちなみに、2016年は報酬率:70%だったそう。
したがって、
- 売上=撮影件数×撮影単価
で因数分解できて、撮影単価はほぼ定数であると捉えていいので、いかに「撮影件数」を増やすことができるかがポイント。
また、
- 撮影件数=撮影UU数×UUあたり撮影件数
に因数分解できて
- 撮影UU数=新規UU+継続UU
に因数分解できて
- 着実に有料広告やオーガニックから新規UUを増やし、継続UUへと転換できるか
- 七五三などの特需(全体の45%)以外のタイミングでも需要を獲得することで、UUあたり撮影件数を上げる
ことがポイントではなかろうか。
PIXTA社の決算説明資料によると、2017年の撮影件数は4,772件なので、以下のように粗利は計算できそう。
- 撮影単価をざっくり20,000円
- 売上は95,440,000円(4,772件×20,000円)
- 収益は33,404,000円(95,440,000円×35%)
収益としては2017年は3,000万円強で、月次で250万円くらいと規模感で、まだ事業単体で黒字化はしていないのではないか。
そして、上記PIXTA社の決算説明資料によると、今後の注力領域は以下とのこと。
PIXTAがfotowaをやる意義
PIXTA自体がデジタル素材のマーケットプレイスで、既に20万人以上のクリエイターを抱えている。
したがって、フォトグラファー側の集客(新規UU向上)施策に関しては既存マーケットプレイスであるPIXTAで恩恵をかなり受けられるのでは。同じく上記PIXTA決算説明資料によると、全国でフォトグラファー登録は640人いるとのこと。
ただ、このマーケットプレイスの場合、難しいのは依頼者を集めること。コストメリットがあるとは言え、競合は多いし、マーケットプレイスなので、自分でフォトグラファーを見つけることを面倒に感じる人は多そう。
新規UU獲得には優位性あり
ただ、競合を見てみると個人商店が多いイメージがあり、全国展開を進め、構造的にWebサイトを構築できるfotowaではSEO対策のしがいがありそうで、オーガニックの獲得では優位性があるのでは。
また、LTVがどのくらいあるのか不明であるが、現時点で収益化を目指さないのであればLTVをキャップにCPAを踏めるし、入稿するキーワード自体も顕在的(例:七五三 写真撮影、など)なので、対策できそう。
七五三以外の撮影機会のリプレイス・創出
新規UU増加→撮影UU増加というポイントとは別に「UUあたり撮影件数」をいかに増やしていくか。つまり、年間の中で依頼してくれる件数をいかに最大化するか。
現在では七五三が全体の45%を占めているとのことで、確実に七五三は抑えつつ、他の撮影機会のリプレイスが必要。
また、可能であるか分からないが、自社で撮影機会の創出をすることができたら、(難しいが)非常に面白そう。
PIXTAで獲得した資源をfotowaに活用
今回、勉強になったのは、PIXTAというマーケットプレイスで獲得した「クリエイター」という資源を活用して、fotowaというマーケットプレイスに「フォトグラファー」として活用していること。
マーケットプレイスの運営の結果として手に入る資源を上手に新規事業へと展開しているなと感じるし、「資源の活用」が1つ新規事業のネタになるということか。