プロダクトにおけるデザイン・ビジネス・テクノロジーの三者によるバランス
デザイン・ビジネス・テクノロジーの思想
デザイン・ビジネス・テクノロジーは職種の意味合いもあるが、それ以上に各々が大事にしている思想が反映されているように思う。
デザイン思考における名著であるデザイン思考が世界を変えるでは、プロダクトには受け入れるべき3つの制約があるとされている。
- 技術的実現性(Feasibility)
- 経済的実現性(Viability)
- 有用性(disability)
これであると少し言葉が硬いので、少し解釈を加えると以下のような意味合い。
- 実現できるか
- 生き残ることができるか
- 望ましいか
これらは(もちろん人それぞれだし、画一的に言うことはできない前提で)各職種でコアとして大事にしていることを端的に表しているように感じる。
マーケターは「生き残ることができるのか」つまり事業性や収益性があるのかを重視するし、エンジニアであれば「実現できるのか」つまり技術的に要件を実現することができるのかを重視するし、デザイナーであれば「望ましさ」つまりあるべき姿は何かを重視しているように感じる。
デザイン・ビジネス・テクノロジーのバランス
この3つの制約は、決してどれも間違いでは無いし 、むしろ正しい。けれども、「望ましさ」だけを求めて「生き残る」ことを捨ててしまうと事業的な継続性を損なうし、「生き残る」ことに力点を置いて「望ましさ」を捨ててしまうと「なんのために事業をやっているのか」が分からなくなる。
なので、恐らく答えとしては全部大事で、高い次元でこれら3つの制約のバランスを取ることが、最高のプロダクト作りに繋がっていくのでは無いかと思う。
職種間のコミュニケーションは相互理解と情報の透明性
マーケーターを始めとするビジネス職種が、エンジニア職種と会話をする際にイマイチ噛み合わないように感じるのは、上記の通り、各々の職種で大事にしていることが違うからではないだろうか。
そのため、各々の大事にしていることを相互理解することが大事で、その上で互いにバランスを取っていく必要がある。
「バランスを取る」というのは必ずしも「リソースの均等配分」の意味合いではなく、「その時々の状況に応じた適切なリソース配分を行うこと」である。そして、そういったバランスを取るためには「その時々の状況」つまり、情報が必要になってくる。
したがって、バランスを判断するためには「情報の透明性」がポイントとなり、日々のコミュニケーションがやはり大事になってくる。
コミュニケーションさえスムーズに行われ、情報の透明性が担保され、各々にて持っている情報に偏りがなくなれば、自然と「バランスの取れた判断」ができるのでは無いだろうか。
スムーズなコミュニケーションに必要な心理的安全
言うは易く行うは難しで「スムーズなコミュニケーション」は本当に難しい。そのために(バズワード化しつつあるけれども)心理的安全が本当に大事になってくる。
心理的安全に関しては、エンジニアリング組織論への招待の著者である広木大地氏の以下の記事が神がかっているので、ぜひ。
以上、プロダクトにおけるデザイン・ビジネス・テクノロジーの三者によるバランスから派生して心理的安全の話まで。大事なのはコミュニケーションだし、各々が「職種を超えて、協力し合う気概」なのではないかなあと思う次第。