マーケットプレイスとは何か?制約条件付きの最大化問題を解く
マーケットプレイスとは何か?
「マーケットプレイス・ガイドブック」では、マーケットプレイスに共通する点として以下2つをあげている。
前者に関しては「集約による買い手の引き込み」、後者に関しては「単なる情報掲載サイトとの差異化」を示唆していると思うのだが、結局よく分からない。
ので、自分で考えると、需要者と供給者の両サイドのエンドユーザーが、各々の経済合理性に基づいて自由取引を行う場所がマーケットプレイスなのではないかと。
マーケットプレイスは「国作り」
個人的にはマーケットプレイスを立ち上げることは1つの国作りみたいなイメージを持っている。
みたいなイメージで、仮に供給者を「企業」、需要者を「家計」であるとしたら、政府は
といった施策を取るのではないかと思うし、一国経済における需給バランスは非常に大事で、基本的にはマイルドなインフレを志向するのだと思う。
したがって、マイルドな供給過多を誘導し、需要者の需要を冷え込ませない。供給過多である場合、供給者(企業)のマーケットプレイスでの体験は損なわれる(例:出品しても売れない、募集しても集まらない等)が、それを解消することこそが政府(運営事務局)の役割。
また、アリババのジャック・マー氏が「Eコマースで一番大事な指標」として言い切ったのは「出店者の幸福度」。GMV(GDP)ではなく、あくまでユーザー(国民)の幸福を目指すことこそが運営事務局(政府)の役割だとハッとさせられた。
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制約条件付きの最大化問題を解く
よく経済学は「制約条件付きの最大化問題」であると言われており、マーケットプレイスの運営もそうだと感じる。
需要者と供給者は絶えず各々の経済合理性に基づいて動き回り、条件がその時々で異なってくる。したがって、一度として同じ瞬間は無く、その時々で最大化への解は異なってくる。
だから非常に難しい。こんなにも経済学が発展した現代世界においても自国経済を完全にマネジメントできる国家は未だ存在し得ないのだし。だけど、その難しさが最高に面白いし、難しいからこそ解けた時は最高に面白そうだと感じる。
なるべくマーケットプレイスの自由度は高く
また、「制約条件」をたくさん付けることは、個人的にはマーケットプレイスで最もやってはいけないことな気がする。なぜなら、マーケッットプレイスは需要者と供給者の両サイドのエンドユーザーが、各々の経済合理性に基づいて自由取引を行う場所だから。
何を言いたいかというと、制約条件を付けると、エンドユーザーの経済合理性を損なう可能性がある。例えば、メルカリで出品者の品質を本当に高めるのであれば「出品者の本人確認を必須にする」等の制約条件を付けるとか。だけど、それをしないのは「出品時に本人確認が必須」というのは、出品者にとって経済合理性を損なうからで、運営事務局(政府)が介入すれば介入するほど、マーケットプレイスはスケールをしていかない。メルカリはこれに対してレーティングを徹底的にユーザーにやってもらうことで解消しているのではないか。
だけど、そうは言っても必ずやってくるのがスパム・ハックユーザーたち。彼らに対しては、運営事務局(政府)が断固とした態度を取る必要があり、治安維持をしていかないと、割れ窓理論的にマーケットプレイスがダメになっていくので、メンテナンスが必要。
マーケットプレイスのタイプ
「マーケットプレイス・ガイドブック」からの引用になってしまうものの、マーケットプレイスのタイプとして、以下のようなものが列挙されていた。
- オンデマンドマーケットプレイス(UBER)
- マネージドマーケットプレイス(Beepi)
- コミュニティ主導型マーケットプレイス(Etsy)
- Saas型マーケットプレイス(Opentable)
- 分散型マーケットプレイス(OpenBazaar)
個人的には、Saas型マーケットプレイス(Opentable)で、マーケットプレイスを見据えたソフトウェアの提供を、初期段階で需要者または供給者のいずれかのサイドに行う。どちらかのサイドをソフトウェアでロックインできたら、マーケットプレイスとして、片方のサイドを集める。
いわゆる、シングルプレイヤーモード呼ばれる手法で、何がいいかというと、
- Saas売上のおかげで最初からキャッシュがある
- 鶏と卵の問題を回避することができる
という感じで、後者に関しては以下のご興味あれば以下の記事でまとめているので、ご覧ください。