私的マーケットプレイス研究所

マーケットプレイスビジネスについて学んだことを書き留める。

なぜUBERはマーケットプレイスとして優れているのか?ピーク料金と巡回セールスマン問題

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UBERとは何か

多くの人はすでに知っているとは思うが、UBERはライドシェアのマーケットプレイスで、ドライバーと乗客をマッチングするマーケットプレイスである。

日本では法的な観点から浸透がなかなかしていないが、海外であるともはやインフラであり、生活する上で必要不可欠なサービスとなっている。

今回、UBERの凄みはたくさんあるのだけれども、マーケットプレイスを運営する上でぶち当たるであろう大きな課題

  • 需給バランス
  • マッチメーキング

についてUBERがどう解決ないしは対応をしようとしているのかをまとめてみる。

 

需給バランスへの対応として「ピーク料金」

マーケットプレイスにおいて、需給バランスは死活問題。UBERの例で言うなら、

  • 需要過多:乗客がドライバーを捕まえることができず、待ち時間が長くなる
  • 供給過多:ドライバーが乗客を捕まえることができず、稼ぐことができなくなる

と言った具合に、需給バランスが整っていないと、どちらかのユーザーは負の体験を被ることになってしまう。そこで、この需給バランスの操作方法として編み出されたのが、「ピーク料金」だ。

「ピーク料金」とは、UBER公式サイトにて「ピーク料金」について以下の通り説明がある。

乗客からの依頼が多い時は、ピーク料金により乗車料金が徐々に上がります。乗客にとって、ピーク料金は利用可能な車両を迅速に確保する手助けとなります。ドライバー・パートナーにとっては、ピーク料金の適用により乗車料金が上がり、収入増加につながります。

 

出典:ピーク料金とは何ですか? | Uber

 つまり、簡単に言えば「需要の抑制政策」であると言えるだろう。「乗客からの依頼が多い時」と言うのはつまり、「需要が多い」ということである。この需要過多の状態であると、乗客は上記のような「待ち時間が長くなる」という負の体験を被ることになる。

では、どうするのかと言うと、「需要があるのであれば、料金を上げてしまえばいい」という、非常に経済合理性がある考え方だ。そうすることで、需要が抑制されて、需給バランスが整い、ユーザーは満足な体験を得ることができる。

この需給バランスは非常に難しい問題で、サービス終了で話題に上がったDMM Okanは(真偽はわからないが)「需要過多」が一因となってサービスが終了した。

market-place.hatenadiary.jp

そう言った意味で、このUBERの「ピーク料金」という需要抑制策は、一部の乗客にとっては不満ではあるものの、「制約条件付きの最大化問題を解く」という命題の元であれば、非常に合理的なシンプルな解法であると感じる。

 

マッチメーキングの難題「巡回セールスマン問題」

 まず、マッチメーキングとは、UBERの場合「いかにドライバーと乗客をマッチングさせるか」ということである。

このマッチメーキングについて少し踏み込んで考えてみると、

  • ドライバー(車)は既に動的に動いている
  • 乗客はゲリラ的に、どの地点で発生するか分からない
  • 乗客の待ち時間を可能な限り減らすために、乗客に近いドライバー(車)を手配する必要性がある

と難題が非常に多い。

これらの難題は数学的には「巡回セールスマン問題」と類似することが多いらしく、巡回セールスマン問題とは、 以下の通りである。

総移動コストが最小のものを求める組合せ最適化問題である。

 

出典:巡回セールスマン問題 - Wikipedia

安直にまとめてしまえば、「いかにドライバーと乗客を効率的にマッチメーキングするか」である。

そして、この難題に対して、UBERは位置情報などのテクノロジーの力により解決を行なった。まさにゼロトゥワン(ピーター・ティール)の言うところのプロプライエタリ・テクノロジーであると言うことができるのではないか。 

このテクノロジーに関しては、以下の記事で詳細に記載されており、参考になる。

Uberがリアルタイムマーケットプラットフォームをスケールしている方法 | FAworksブログ

 

以上、UBERマーケットプレイスとして優れている点について調べてみた。その他にもユーザー獲得の方法がえげつなかったり、リファラルの仕組みが凄かったりと、UBERからは学ぶべきものが非常に多い。

今回のピーク料金で言えば経済学の発想が、巡回セールスマン問題で言えばエンジニアリングの発想が、とマーケットプレイスを構築するためにここまで学際的なプロダクトは無いのではないかと思わされ、非常に興奮する。