Facebook離れ、原因は「ネットワークの価値」の低下にある
Facebook離れは進んでいるのか
ニュースで何度か見かける「Facebook離れ」というトピック。米市場調査会社・eMarketerの調査によると、2018年には
- 11歳以下のユーザーは9.3%減少
- 12歳〜17歳のユーザーは5.6%減少
- 18歳〜24歳のユーザーは5.8%減少
するという予測がされている。
出典:Facebook Losing Younger Users - eMarketer
したがって、実感値として「減っている」と感じる一方で、予測的にもFacebook離れが進んでいると言っても過言では無い。
なぜFacebook離れが進むのか
簡潔に言うと、Facebookというネットワークの価値が低下しているからでは無いか。逆にFacebookのネットワークの価値は「友人の近況を知ることができる」ことであり、その価値は以下の要因によって、確かに毀損されている感じではある。
- フィードに興味の無い広告や親しく無い知人の情報が流れる
- 突然知らない人から友達申請が来て、スパム被害に会う
- フィードに投稿をすると、嫌な絡まれ方をする
もちろん、Facebookとしてはそれぞれに対して、以下のような対策は講じている。
- エッジランク(親密度・重み・経過時間・ネガティブフィードバックの要素を基に、フィードに流すべき情報をコントロールするアルゴリズム)によるフィード制御
- 友達申請の「申請」「承認」によるダブルオプトイン
- フィード投稿内容の公開範囲制限
しかし、ユーザーとしては快適にFacebookを使うために、色々と自分で努力する(不審な友達申請は承認しないように気をつける、投稿内容の公開範囲に気を回す、等)は非常に面倒臭い。
ネットワークへの参加者増加は考えもの
もともとFacebook自体はハーバード大学から始まり、その他アイビーリーグの大学へと波及をしていった。したがって、そのネットワークで繋がるユーザー自体の属性は非常に近く、親密であった。
しかし、成長を志向するのであれば、「ネットワークへの参加者を増やすこと」つまり「新規ユーザー獲得数」は至上命題となってくる。その増加の過程の中で、Facebookは以前ほどの「ネットワークの濃さ」を維持することができなくなり、ネットワークの価値は低下していってしまう。
「プロダクトのスケール」と「ネットワークの価値の維持」、この一見するとトレードオフとも考えられがちな2つのテーマを両立しながら解決することができたら、さらに大きな価値を産めるのだろうと感じた。