Reduce Goのスウェーデン版・Karma、「大手スーパー囲い込み」が流動性確保の要因か
フードロス解消マーケットプレイス・Karma
スウェーデン発のフードロス解消マーケットプレイス・Karmaについて今回は調べてみた。Karmaは以前調べた日本のReduce Goと取引の流れ自体はほぼ同じで、以下のような感じ。
- 飲食店(売り手)が売れ残り食品を出す
- 消費者(買い手)が食品リストの中から欲しい食品を注文する
- 消費者(買い手)が飲食店(売り手)にまで取りに行く
Reduce Goであるとマネタイズは消費者(買い手)からで、月額1,980円で、1日2回注文することができる。
しかし、Karmaの場合、消費者(買い手)は食品の購入金額だけで、特にそれ以外の費用はかからないみたい。なので、飲食店(売り手)から手数料を取っているのだと思うが、特に明記がされておらず、マネタイズの仕方が掴めない。
Karmaは流動性を確保しているのか
まず、流動性とは「需要に応える十分な供給があり、取引が円滑に行われる」ことであり、そのためにはクリティカルマスに到達をする必要がある。まず、Karmaの公開されている数値周りを整理してみると、以下の通り。
- 売り手(飲食店):1,500件以上
- 買い手(消費者):35万人以上
Reduce Goと同じく、買い手のメリットが強いので、恐らく状況としてはReduce Goと同じく、需要過多になっているのではないか。
需要過多である場合、「パワーセラーの獲得がポイントではないか」と思っており、Karmaの場合、以下のようなパワーセラーの獲得に成功しているみたい。
Ruta Baga、Marcus Samuelsson’s Kitchen、およびTableなどの有名レストランや、Sodexo、Radisson、Scandic Hotelsなどの有名企業、および大手スーパー3社も、パートナーとしてKarmaを利用している。
2月からはイギリスでもサービスの提供を開始しており、すでにロンドンの400件以上のレストランがKarmaを利用しているとのこと。地元でよく知られるAubaine、Polpo、Caravan、K10、Taylor St Barista’s、Ned’s Noodle Bar、およびDetox Kitchenなどが名を連ねている。
有名レストランももちろん魅力的だが、「大手スーパー」というのがポイントかと思っている。日次で大量のフードロスが生じるし、いくつかのエリアに展開している可能性が高いので、かなりの食品を供給できるパワーセラーであると思う。
また、ロンドンにも展開しているということを考えると、スウェーデンという地域においては既に流動性を確保しており、スケールをさせるフェーズなのではないか。
勝手に、こういったサービスの利用シーンは「あくまで居住地域の近辺の飲食店」に限って考えていたが、そんなことはなくて、
Karmaをよく利用するのは25歳から40歳までの、若いホワイトカラー層なのだとのこと。オフィス街で働き、帰りに夕食をピックアップして帰るというスタイルが目立つのだそうだ。
というように「通勤の帰り道」は確かに利用シーンとして全然ありそう。Reduce Goも日本での成功に向けて、どのようにパワーセラーを獲得していくのか注目したい。