マーケットプレイスが生み出す外部経済と外部不経済とは何か
そもそも外部経済と外部不経済とは何か
市場(マーケットプレイス)の外部に及ぼす間接的な波及効果のことであり、それが良いものなら「外部経済」、悪いものなら「外部不経済」ということ。
例えば、ある街に「駅」が出来たとする。駅自体の直接的な効果は
- 乗客人数の増加により稼げる運賃が増える(経済効果)
一方で、間接的な波及効果としては、駅ができたことで
- 「駅周辺の商店街が栄える」という良い波及効果(外部経済)
- 「人が増えたことで、騒がしい」という悪い波及効果(外部不経済)
が考えられる。
メルカリが生み出す外部経済
まず、メルカリが生み出した外部経済について。メルカリ自体はフリマのマーケットプレイスであり、トランザクションから手数料モデルで収益を上げており、それ自体はメルカリの経済効果である。
では、メルカリの外部経済(良い波及効果)は何かと言うと、「梱包資材」「郵便局」等への外部経済。メルカリの自社調査「フリマアプリ利用者における消費行動の変化」に関する実態・意識調査によると、なんと周辺サービス業界に最大752億円のインパクトを与えているとのこと。
参考:
「フリマアプリ利用者における消費行動の変化」に関する実態・意識調査 | 株式会社メルカリ
メルカリ自体が意図せず起こしたわけでは無いけど、メルカリというマーケットプレイスの外側の市場で良い波及効果が生まれた好例であると言える。
UBERやLyftが生み出した外部不経済
上記のメルカリのような外部経済の事例がある一方で、その反対である外部不経済の事例も存在する。
現在、アメリカの都市部ではUBERやLyftと言ったライドシェアサービスが普及しており、「空車ばかりなのに、街は車だらけ」といった状態になってしまっている。その結果として、街に渋滞が起きてしまっている。
これはまさに外部不経済の事例で、UBERやLyftといったライドシェアのマーケットプレイスでは、ドライバー(売り手)と乗客(買い手)が存在し、マーケットプレイス内部に限った話であれば、
- ドライバー(売り手)が多ければ多いほど、乗客(買い手)は待ち時間が少なくて済む
- 乗客(買い手)が多ければ多いほど、ドライバー(売り手)はダウンタイムに稼ぐことができる
とまさに良いことづくめである。
しかし、UBERやLyftといったマーケットプレイスから視点を広げて、街(いわゆる世の中)に目を向けて見ると、渋滞という悪い波及効果(外部不経済)を起こしてしまっていた。
ちなみに、ニューヨークでは既にライドシェアサービスの規制に向けた動きが始まっているとのことで、UBERやLyftがどういった対応を取るのか注目ポイント。
“「ライドシェア」増えすぎで渋滞” NYで規制へ | NHKニュース
外部経済と外部不経済の前にマーケットプレイスの成長
外部経済と外部不経済について書いたものの、「外部」の市場にまで影響を与えることができるような マーケットプレイスをまずは作ることが大事。
マーケットプレイスにおいては「Winner takes all」と勝者が利益を総取りしていく。そして、その総取りのために必要なファクターとして度々上がるのが「ネットワーク効果」。どこかのタイミングで、ネットワーク効果についてまとめてみる。