マーケットプレイスにおける「クリティカルマスとは」をしっかりと調べた
一般的に言うクリティカルマスとは
マーケットプレイスに関する情報収集をしていると度々遭遇する「クリティカルマス」という言葉。
一般的なマーケティング用語としては「臨界質量」でいわゆるティッピングポイントと呼ばれるもの。
イノベーター理論的にはイノベーター層+アーリーアダプター層=16%くらいなので、この16%を越えると「クリティカルマスに達した」ということで「一次関数的な普及ではなく、指数関数的な普及が見込めるよ」ということ。
なので、クリティカルマス=ティッピングポイントであると捉えてハズレではなさそう。
マーケットプレイスにおけるクリティカルマスとは
では、マーケットプレイスにおけるクリティカルマス(ティッピングポイント)とは何だろうか。いくつか調べた中で、最も腹落ちしたのはプラットフォーム革命という書籍の説明。
マーケットプレイスにおけるクリティカルマスとは、
「ネットワークから受け取る価値 > ネットワークに参加するコスト」という構図になるために必要な、必要最小限の人数
とのこと。
どういうことかと言うと、何かしらのマーケットプレイスを始めた初期状態は以下のような感じ。
- マーケットプレイスには誰も参加者がいない
- 買い手がいないので、売り手は供給をしない
- 売り手がいがないので、買い手の需要も生まれない
したがって、売り手にせよ買い手にせよ、マーケットプレイスから受け取る価値は何もないので、むしろマーケットプレイスに参加するコストの方が割高になる。ここで指すコストは何も金銭的なものに限らず、時間や心理的負担(面倒臭さ)も含まれる。
そこで、クリティカルマスに到達することが、マーケットプレイス運営者としての最初のお仕事で、それによってネットワークに流動性が生まれる。
どのようにクリティカルマスに到達するのか
このクリティカルマスに到達する際に、あまりにも高い壁として立ちはだかるのが「鶏と卵の問題」である。詳細は過去記事ご覧ください。
過去記事の中では以下のような3つの方法があると調べて分かった。
- ボーリングのピン戦略:ニッチなマーケットであれば、売り手も買い手も両方とも集めやすい
- シングルプレイヤーモード:売り手または買い手のどちらか一方に独立的な価値提供を行う
- 買い手=売り手:1人のユーザーに1人2役を担ってもらう
その他、さらに調べていくうちに、フリル創業者である堀井翔太氏のブログ・CtoCのニワトリとタマゴの問題を解決するためにやった5つのことの中で、
1. サクラの出品者をする
一つ目は自身で出品商品を集めて、複数のアカウントを作成し、出品するといういわゆるサクラをしました。
は非常に大事なことだなと感じた。すごく泥臭いけど、自分の行動次第なので、一番確実な方法で、自分でできる性質のマーケットプレイスなのであれば、絶対に自分でやらなければいけないと感じた。
クリティカルマスとは普及率が伸びるティッピングポイントであり、そのためには鶏と卵の問題を解決する必要性がある。ただ、鶏と卵の問題を解決することによって、スケールを急ぎ、ネットワーク濃度を薄めてしまうことは自社の首を締めることになりそう。
なので、あくまで「ローカルで熱量の高いネットワークで」という但し書きは前提なんだろうなと思う。