私的マーケットプレイス研究所

マーケットプレイスビジネスについて学んだことを書き留める。

音源マーケットプレイス・AudioStock、ストック商品の手数料率は高めの設定

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音源マーケットプレイス・AudioStockとは

音源(BGM・効果音・バイス・歌)を売買することができるマーケットプレイス。売り手はクリエイターで、買い手は音源使用者。

AudioStockの特徴としては「著作権フリー(ロイヤリティフリー)」であること。「著作権フリー(ロイヤリティフリー)」と聞くと、「勝手に使っても良い」みたいな印象を抱きますが、そうではなく「使用許諾の範囲内で、何度でも、自由に使えることができる」ということ。また、著作権自体はあくまでクリエイター(売り手)に帰属するとのこと。

したがって、クリエイター(売り手)が売っているのは、音源そのものというよりも「使用権」であり、音源使用者(買い手)はその使用権を買っている。

著作権フリーの音源・音楽素材なら10万点から選べるAudiostock(オーディオストック)

 

AudioStockはどういったビジネスか

マネタイズのポイントや公開されている数値からビジネス規模をざっくりと推定をしてみることにする。

 

マネタイズは手数料モデル

マネタイズとしては手数料モデルで、成約した販売額の40%〜60%が報酬となる。つまり、手数料も40%〜60%。例えば、1,000円が成約した販売価格で手数料が40%なら、事務局は600円が手数料としてクリエイター(売り手)からもらう。

※手数料率の幅は販売実績などに応じて可変的であるみたい

 

ユーザー数や音源数から推定されるビジネス規模

公式サイトによると、2018年8月時点で公開されている数値は以下の通り。

  • 音源作品数は10万以上
  • クリエイター(売り手)は7,000人以上
  • 月次で2,000点の音源作品が追加される
  • 取引実績は24,000回以上
  • 手数料率は40%〜60%

音源作品数をブレークダウンして調べてみると以下のような内訳。

  • BGM:59117件(約57%)
  • 効果音:38,094件(約37%)
  • ボイス:5,540件(約5%)
  • 歌:1,115件(約1%)

ビジネス規模を推定するために、取引実績を各カテゴリの音源作品数と掛け合わせ、各カテゴリの取引実績とする。

  • BGM:13,660回(取引実績:24,000×カテゴリ比率:約57%)
  • 効果音:8,802回(取引実績:24,000×カテゴリ比率:約37%)
  • ボイス:1,280回(取引実績:24,000×カテゴリ比率:約5%)
  • 歌:258回(取引実績:24,000×カテゴリ比率:約1%)

そして、各カテゴリの音源作品の最低価格を販売価格であると仮定し、各カテゴリの取引実績に掛け合わせる。

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  • BGM:14,752,784円(取引実績:13,660回×最低価格:1,080円)
  • 効果音:4,753,223円(取引実績:8,802回×最低価格:540円)
  • ボイス:691,260円(取引実績:1,280回×最低価格:540円)
  • 歌:834,752円(取引実績:258回×最低価格:3,240円)

したがって総販売価格は最低で約2,100万円以上ではないかという仮説。手数料率を仮に50%であるとしたら、クリエイター(売り手)の総報酬は1,050万円。クリエイター数は7,000人であるとしたら、1人あたり約1,500人の報酬を得ていることになる。

※あくまで仮説。

 

その名の通り「ストック」がポイント

マーケットプレイス型のビジネスである場合、取り扱われる「商品」がスポットなのかストックなのかで変わってくる。

AudioStockはその名の通り、ストック型商品のマーケットプレイスなので、クリエイター(売り手)としては一度公開さえしてしまえば、工数がかからない。一方でスポット型商品であると、取引の度に工数がかかる。

そうなると、ストック型商品のマーケットプレイスはスポット型商品のマーケットプレイスよりも比較的多めに手数料を事務局側が取ることができるかもしれない。

実際のスポット型商品のマーケットプレイスにおける手数料率は10%〜20%が多い印象。


market-place.hatenadiary.jp

 

今回の学びとしては

  • マーケットプレイスで取り扱う商品にはスポット、ストックがある
  • ストック商品の場合、スポット商品よりも比較的高めに手数料を事務局が取れる
  • AudioStockは音源の使用権を扱っており、ストック商品
  • BGM、効果音の音源作品数が多いということは、需要が多いのではないか

どういった商品をマーケットプレイスで扱うかはしっかりと考えた方が良いと痛感。

ちなみに、AudioStockレコーディングスタジオがあるらしく、オンラインだけでなくオンフラインの繋がりもレコーディングスタジオを通じて形成できそう。

Audiostockのレコーディングスタジオ | Audiostock(オーディオストック)